神無月・十三夜 生産者に想いを馳せながら旬のものをいただくお月見


日本茶のある暮らし

お月見といえば中秋の名月、十五夜の月が有名ですが、その一か月後の旧暦913日の夜にもう一度お月見をするのが十三夜、のちの名月。今年は例年よりも少し遅めの1029日がその日にあたります。中秋の名月は中国から伝わった風習ですが、十三夜は、日本独自のもの。満月ではなく、これから満ちていく十三夜の月を愛でる感性は、完全なものだけではなく、足りないものにも、それぞれの美しさや魅力があるという日本人ならではの感覚なのかもしれません。

この中秋の名月(十五夜)とのちの月(十三夜)、ともに江戸時代には収穫への願いと結びついて、収穫祭として広く普及しました。里芋をお供えする習慣があったことから「芋名月」と呼ばれる十五夜では収穫前の豊作を願い、十三夜では、その時期に旬を迎える栗や豆を供えて「栗名月」「豆名月」とも呼ばれ、その年の収穫の成果を感謝しました。月を見上げながら、今年の無事の収穫にお礼をし、次の年も順調に作物が育つことを祈るこの十三夜は、実りの秋に大事な一夜のひとときだったのでしょう。

日本茶のある暮らし

今となっては、世界中の食べ物が、そこまで苦労しなくても手に入る時代。もしかしたら昔ほど季節を意識して、この時期の収穫に感謝することは少なくなったかもしれません。それでも、秋の澄み切った夜の空に月を見つけた時には、少しだけこの時期に収穫への感謝の気持ちを月に込めた古の人々の想いを思い出して、私たちの食卓に届く様々な食べ物を作ってくれている生産者やそれを私たちのもとへ届けてくれる方々へ、想いを巡らせてみてはいかがでしょうか?普段何気なく食べているものであっても、そのかけがえのない価値に気づいて、感謝の気持ちを思い起こさせるきっかけになるかもしれません。今年はそんな感謝とともに、十三夜の月を眺めながらお月見愉しんでみてはいかがでしょうか?

10月に提供するNAGOMU TEA BOXでは、生産者に想いを馳せながら、旬のものをいただくのにぴったりの日本茶を紹介したいと思います。

日本茶のある暮らし

ひとつめは、静岡川根・益井園の美発酵茶。常に日本茶の新しい可能性に挑戦する茶師益井悦郎氏が作り上げたオリジナル美醗香茶。醗酵茶は古来・中国では「温の茶」とされ、飲むことによって身体を暖め、整えるとされています。茶葉の持つ香りを残しながら、緑茶と紅茶のちょうど中間の不思議な味わいが魅力。温かいお茶でも水出しの冷茶どちらでもよく合い、ひとくち口に含んだ時の香ばしさと口中に広がる甘さが絶妙です。益井氏という挑戦する生産者だからこそ生み出せた、新感覚のお茶をお愉しみください。

そしてNAGOMUがおすすめする山の煎茶の中でも一押しの逸品、安部川上流域の山間の自然が生み出した美しい日本茶、梅ヶ島をお届けします。急峻な斜面の狭い茶畑で、ほとんど機械に頼らず、手作業で丹精込めて育まれたこの山の煎茶には、生産者の苦労とこだわりの結晶が凝縮されています。高温で淹れると香りが引き立ち、山の煎茶らしい力強さと繊細さが織りなす味わいが愉しめます。

季節を感じられる自然なかほりをお茶と共に愉しめる季節のかほり茶シリーズから、黒豆焙じ茶もどうぞ。黒豆の持つ味わいとかほりを自然のままに感じられるよう、お茶を選定しブレンドしました。砂炒焙煎で芯まで香りが行き届き、ふっくらと香りのよいほうじ茶に仕上げています。秋の季節を黒豆とともに感じてくれたらと思います。

3つの日本茶とともに、十三夜の月を見上げて、生産者の想いを感じながら、ひといきついていただけることを願っています。

それでは、お茶とともに感じる色に満ちた生活を。Life is colourful.

現在ショップでは、10月からの定期購読やお試しBOXの予約を受け付けています。興味のある方はこちらから。

日本茶のある暮らし


Leave a comment


Please note, comments must be approved before they are published