新しい年を迎えて10日ばかり過ぎようとしているこの頃。寒さも和らぐ気配もなく、これからますます寒さも厳しくなりそうなこの時期。でも暦の上では、あと1ヵ月くらいで立春を迎えます。
そんな春の訪れを感じさせてくれる2月を象徴する花といえば梅の花。古くから「花よし、香りよし、果実よし」と三拍子揃った花木として讃えられてきました。まだ雪が残る寒い時期にじっと耐えて花を咲かせる様は、美しさと同時に、力強さをも感じさせてくれます。寒さに耐える「松」「竹」「梅」の3つを古の中国では「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼んで書画の題材としてきましたが、「松竹梅」のひとつとして寒い季節にいち早く花を咲かす「梅」も、その中で特に新春を彩るめでたいものとして定着してきました。
そんな梅の花、「東風(こち)吹かばにほひおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」と菅原道真が詠んだ有名なこの歌にもある通り、東風を待って咲く「風待草」とも呼ばれます。当時は春は東からやってくると思われており、東風が冷たい氷を溶かし始めるころが立春の初候。そんな東風とともに香り高い花で春の訪れを知らせてくれる梅の花が咲けば、いつしか薄くなっていく氷に、春の兆しを感じられる季節になっていきます。しばらくすれば、鶯の初音が聞こえ、魚たちが水面に泳ぐ―そんな、日々のちょっとした変化の中に、季節の移ろいが感じられ、徐々に心は春へ。
そんな季節の移ろいを感じることは、現代の忙しい毎日の中ではなかなか気づかないまま過ぎさってしまうことが多いかもしれません。でも、寒い中にも、ちょっとだけ道端の木々に目を向けてみてはどうでしょうか?東からの風を待ってじっと耐えている若きつぼみに気づけば、襟を立てて背をすぼめながら速足で歩くそんな毎日も、これから美しい花を咲かせようと力を蓄えているけなげな姿に後押しされて、背をすっと伸ばして立ち止まって周りのちょっとした季節の変化を見つける、そんな、春が来る幸せを感じる日々に変えていけるかもしれません。
2月のNAGOMU TEA BOXでは、季節のやわらぎを感じながら春を待ちわびるのにふさわしい日本茶をお勧めできたらと考えています。
今回特に一押しなのは、これまでも山の煎茶の定番としてNAGOMUでも人気を博していた梅ヶ島から、「在来」という古来よりその土地に根付いた茶樹から自然のままに育てられた特別な茶葉を提供します。自然に育った茶樹(在来種)から採れた茶葉は、さまざまな個性をもった茶葉が自然と混ざり合ってできた、複雑で奥深く、力強い、お茶が本来持つ素朴な香りと味わいを生み出しています。他の梅ヶ島の茶葉にはない、在来種ならではの、自然が生み出した深い味わいをぜひお愉しみください。
季節を感じられる自然なかほりをお茶と共に愉しめる季節のかほり茶シリーズからは、温かいフレーバーティー「生姜と焙じ茶」。スパイシーな生姜と甘みを持つ棒の焙じ茶、その二つの絶妙なブレンドによって、甘くて辛いフレーバーティーに仕上がりました。2つの成分で身体をぽかぽかにしてくれる生姜と焙じ茶で、寒い季節に、ほっこりと温かさに包まれる一杯をどうぞ。
そして最後に、まさに匠の技によって生まれた「匠の微香茶 燻製のかほり」。この燻製茶は国産ウイスキーの熟成に実際に使用されていたウイスキー樽のチップで燻すこだわり。数十年もウイスキー熟成に使用されてきた樽の薫香は、シングルモルトウイスキーを彷彿させ、お酒好きな方には是非飲んでいただきたいお茶に仕上がっています。アイラウイスキーなど本当のウイスキーと合わせて飲むのもおすすめ。
3つの日本茶とともに、徐々に春の訪れを感じる季節に、ひといきついていただけることを願っています。それでは、お茶とともに感じる色に満ちた生活を。Life is colourful.
現在ショップでは、2月からの定期購読やお試しBOXの予約を受け付けています。興味のある方はこちらから。
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